住宅ローンの基礎知識

住宅ローンの基礎知識

住宅ローンは、大きくは「公的ローン」と「民間・その他のローン」とに分けられます。
公的ローンに該当するのが、住宅金融公庫融資、財形住宅融資、自治体融資です。特徴としては、物件に所定の条件が設けられている反面、「人」に対する条件はややゆるやか。金利面でも比較的有利です。
民間ローンは、銀行・信用金庫、住宅ローン専門会社、生命保険会社、JAなどが扱っています。返済能力などの条件面は比較的厳しいものの、物件に対する条件はややゆるやかで、融資限度額も高めなのが特徴です。そのほか、販売業者と金融機関の提携ローンや、職場で独自に行っている社内融資などもあります。
それぞれの住宅ローンの特徴を見ていきましょう。

公的ローン

■ 住宅金融公庫融資
公庫融資は全期間固定金利型のローンで、比較的、金利は低めです。毎月返済額の5倍以上の月収があることが融資条件の1つで、70歳未満の人なら利用できます。前年の年収(給与収入)が800万円超の人は物件価格の5割まで、800万円以下の人は8割まで融資を受けられます。物件の種類ごとに融資が区分され、最長返済期間や金利などの条件が決められます。公庫自体は平成18年度末までに独立法人に移行することになっていますが、それまでに借りたローンはそのまま継続して借りられます。金利タイプは、11年目に1度だけ金利が変わる段階金利型です(二段階金利型とも言われます)。

■ 財形住宅融資
財形貯蓄を1年以上続けてきた人が利用できるローン。財形貯蓄(住宅財形だけでなく、一般財形、年金財形でも可)の残高の10倍(最高4,000万円まで)のローンが借りられます。毎月返済額の4倍以上の月収があることが条件です。金利タイプは5年ごとに金利が見直される「5年固定型」で、金利見直し後の返済額は最大で1.5倍までと上限が設けられています(ただし、それ以上に増えた場合は未払い利息が発生します)。

■ 自治体融資
自治体によっては、居住しているか勤務先がある人に対して、独自にローンを提供するところもあります。自治体の直接融資のほか、民間ローンに利子補給するケースも。金利タイプは自治体により異なります。

民間・その他のローン

■ 民間融資
銀行やJA、住宅ローン専門会社、生命保険会社などが貸し出す住宅ローンを民間融資と呼んでいます。
銀行では、変動金利型や固定金利選択型を中心に貸し出し、住宅ローン専門会社、生命保険会社などは全期間固定金利型が中心です。特に、銀行は個人の住宅ローンに力を入れていて、競争も激化して、金利キャンペーンが常態化しています。金利タイプは、変動金利型、固定金利選択型、全期間固定金利型とさまざまです。

■ 公庫新型住宅ローン(「フラット35」)
住宅ローン債券を公庫が買い取り、証券化(小口化)して投資家に販売する仕組みによって誕生した、全期間固定金利型の住宅ローンが「公庫新型住宅ローン(「フラット35」)」。各銀行やグッド住宅ローンなどでも力を入れ始めています。

返済は最長35年で、全期間固定金利。物件価格の8割、最大5000万円まで借りることができます。借入に際しては、毎月返済額の4倍以上の月収があることが条件。新築・中古物件とも対象となっています。

■ 提携ローン
住宅販売業者が、民間の金融機関と提携する形で提供している住宅ローンです。販売業者の信用で借りられるところもあり、融資条件などは比較的ゆるやかです。通常、窓口では扱わない金利優遇が適用されることもあります。金利タイプは、変動金利型、固定金利選択型、全期間固定金利型とさまざまです。

■ 社内融資
職場によっては、独自にローンを提供するところもあります。勤務先が直接融資する場合のほか、民間ローンを利用して、利子補給する企業もあります。ただし、会社を辞めるときは、一括返済しなければならない点が最大の注意点。変動金利型、固定金利選択型、全期間固定金利型などさまざまです。

金利の種類

民間ローンの金利は「変動金利」「固定期間選択型」「長期固定金利」の3タイプに区分できます。

■ 変動金利
変動金利は文字通り借りている途中で金利が変動するタイプです。原則として金利を年に2回見直し、その時点の金利が適用されます。ただし毎月返済額は5年間変動せず、5年後に返済額が上がる場合もそれまでの1.25倍を上限とするケースが一般的です。その間に金利が上がった場合は毎月返済額に占める利息の割合が増えるので、元金の減り方が少なくなります。金利が急上昇すると毎月返済額で利息が返しきれなくなり、「未払い利息」が発生するリスクもあります。なお、変動金利の一種として金利に上限を設けたタイプが「上限金利付き変動金利」です。

■ 固定期間選択型
3年、5年、10年などの固定期間を選ぶと、その期間中は金利が変わらないタイプが固定期間選択型です。金融機関によって「固定金利選択型」「固定金利特約型」などと呼んでいます。固定期間3年のタイプを3年固定、10年のタイプを10年固定などと呼び、銀行によっては1年固定から20年固定まで細かく設定しているところもあります。

■ 長期固定金利
借りた時点で最初から最後までの金利が決まっているタイプを長期固定金利または完全固定金利、あるいは単に固定金利といいます。なお、この10月から各金融機関が取り扱いを順次スタートさせている「証券化住宅ローン」も、長期固定金利のタイプです。民間が貸し出した住宅ローンの債権を公庫が買い取り、証券化して投資家に販売するというもので、公庫融資に準じた基準を満たす新築住宅が対象となっています。

今は超低金利なので、キャンペーンを利用すると変動金利や3年固定などが1%台で借りられることも珍しくありません。しかし、変動金利や短期固定は借りた後で金利が上がると数年後に返済負担が重くなってしまいます。借入額のすべてをこれらの金利で借りるのは不安が大きいといえるでしょう。

そこで変動金利や短期固定と、長期固定金利のローンを組み合わせて借りる方法が考えられます。これなら途中で金利が上がっても、返済額の上昇を抑えることが可能です。ただし、民間の長期固定はほかのローンと併用できないケースがほとんどなので、併用する場合は公庫や年金と組み合わせることになります。

 

また、銀行によっては異なるタイプの金利を組み合わせて借りられる場合もあります。例えば3年固定と10年固定を半額ずつ借りれば3年後に金利が上がっていても負担の増加が少なくて済みます。借入額の比率を自由に設定できる銀行もあるので、その場合は3年固定を1000万円、10年固定を2000万円といった借り方もOKです。こうした借り方ができるかどうか、金融機関に問い合わせてみましょう。

住宅ローン返済モデルケース

下の表は住宅ローンの返済モデルケースです。ご覧のように、3000万円の物件を購入した場合、諸経費込みで3250万円がかかります。自己資金を100万円として、残りの3150万円を借入します。

 

物件価格

3,000万円

諸経費

250万円

内訳

登記費用
保障料等
火災保険料
仲介手数料
表示登記料
負担金
その他
合計

約35万円
約65万円
約30万円
約100万円
約10万円

約10万円
250万円

合計金額

3250万

自己資金

100万円

借入金学

3150万円

借入先

借入金額

利率

期間

均等払い

2年固定

3,150万円

1.75%

35年

100,351円

5年固定

3,150万円

2.5%

35年

112,610円

35年固定

3,150万円

3.15%

35年

123,880円

 

※2年固定の場合、利率が1.75%、返済期間35年で、月々の支払額は約10.0万円
※5年固定の場合、利率が2.5%、返済期間35年で、月々の支払い額は約11.2万円
※35年固定の場合、利率が3.15%、返済期間35年で、月々の支払い額は約12.3万円

返済例1

月々

約70246円

ボーナス

約180,633円

 

返済例1

月々

約86,716円

ボーナス

約222,984円

頭金なしの35年ローンを組んでも、月々の負担額は、賃貸とそれほど変わりません。さらに、ローンを全て支払った35年後を比較してみればその差は歴然です。住宅ローンを借りて住宅を購入した場合、35年後には支払いは終わり、購入した物件は自分のものになります。支払い後に、資産として売却することも可能です。一方で賃貸の場合、35年後も支払い続けなければなりません。また、団体信用保険に加入していれば、ローン返済の途中で本人が死亡、または高度障害を負った場合、生命保険会社に残りのローン残高を支払ってもらうことができます。

 

このように住宅ローンを組んででも、新築一戸建てを購入したほうが、お徳だと言えます。